みなさま、2022年4月1日、奈良県立医科大学は附属病院に在宅医療支援センターを設立いたしました。在宅医療は入院医療、外来医療と並び第3の医療として地域共生社会・地域包括ケアシステムの中で重要な役割を担いつつあります。このコロナ禍におきましても、在宅医療が果たしている役割には目を見張るものがあります。今後もさらなる人口減少や高齢化に伴い、第3の医療として、より一層、医療機関の機能分化・連携が必要になると考えられます。厚生労働省も医療機能別必要病床数は計133万床(2015)から119万床(2025年)に減少する一方、在宅医療は約30万人が必要になると見込まれており、在宅医療のさらなる充実・強化が喫緊の課題となっております。
 平成30年度、令和5年度に、奈良県医師会が実施した「在宅医療に関するアンケート調査」では、次の2点の不安要素が、在宅医療に取り組むための障害となっていることが改めて確認できました。

時間的制約がきつく体力、気力的に続ける自信がない/自分の専門以外の疾病に対応する自信がない

このことから、医師だけではなく、看護・介護職を含めた在宅医療に関わる皆さんの不安を解消することが、今後の在宅医療の充実・強化に向けての課題と捉え、在宅医療支援センターを設立しました。

在宅の患者さんへの夜間や休日における代診支援/専門外のことに関する医療相談サポート(医師以外も相談可)

 この2点を通じて、在宅医療に取り組む医師が増え、在宅医療に関わる様々な職種の方が安心して在宅医療に取り組めるよう、支援を行っていきます。
 これら各種サポートの概要につきましては、このホームページ内の「在宅医療支援センターについて」の「業務内容の紹介」をご覧いただければと思います。医大内に各科や専門ナースよりなるワーキンググループを設置しておりますので、在宅医療に関するものでしたらどんな内容でも問題ありません。医師のみならず、看護師や介護職員、ケアマネジャーなど在宅医療に関わる皆様から、あらゆる質問や相談をお受けしていきたいと思いますので、ぜひご活用ください。
 以上、支援センターの設置によりまして、在宅医療をやってもいいかと思っていただける医師が増えること、そして奈良県内の在宅医療の充実が図れますように努力してまいりたいと思います。